まだまだできる消費税還付+今年の税制改正でさらに・・・

1.「自販機節税は封じられた」と思っていませんか?
 昨年の税制改正で、相続税対策等でアパート・マンションを建て、傍らに自動販売機を設置して消費税の還付を受けるという、いわゆる「自販機節税」が封じられたかに見えます。確かに以前よりは要件は厳しくなりました。しかしまだまだできるのです。

@自動販売機を使った消費税の還付方法
  そもそも、昨年まで流行した「自販機節税」のスキームは、まずアパートを建築する前に、敷地に自販機を設置します。飲料の売上は「課税売上」ですから、「課税事業者選択届出書」を提出すると、最初の年から課税事業者になります。
 次に、アパートの建築及び入居を12月近くにします。何故なら、収入は、飲料の「課税売上」と家賃収入の「非課税売上」の合計になりますから、その内の飲料の「課税売上」の割合が95%以上にするためです。すると、アパート建築に要した消費税の全額を仕入に係る消費税として引けて、結果として建築費に係る消費税の方が多いですから還付される訳です。
 ちょっとテクニカルな話になるので、以下Aも含めて、2.まで飛ばして頂いても結構です。
先に「課税事業者選択届出書」を提出していますから、2年間は課税事業者が強制されます。2年目は自販機の「課税売上」から少し納税が生じます。次に、3年目の前に「課税事業者選択不適用届出書」を提出します。3年目の基準期間は2年前ですから、その期間の課税売上は通常1,000万円以下なので免税事業者となります。こうして、還付金を受けたままになります。

A 改正点 どう封じられたか?
 昨年の改正で「課税事業者選択届出書」を提出すると、3年間は免税事業者に戻れなくなり、簡易課税制度の適用も受けられなくなりました。すると3年目は免税事業者になれず、課税事業者です。その際、「非課税売上」の割合が高くなり、課税売上割合が極端に変動します。実は、課税売上割合が著しく変動した場合は、調整が強制される別の条文があります。これにより還付を受けた消費税のほとんどを再び納付することになります。

2.将来、消費税の増税は火を見るより明らか。ならば、還付金も多額になる! 
 さて、どう対応するか?このノウハウは東京で講演をしましたが、連日税理士等が参加して、満員あるいはそれに近くなる程、盛況となりました。10月には名古屋でも開催しますが・・・面白いとこに、今年の税制改正でさらにやり易くなったのです。これは、従来は2年前の課税売上高で納税義務を判定していたのが、前年の前半6ヶ月で判定することになったことが原因です。
 消費税の増税は、早いか遅いかで、国民的合意が形成されつつあります。5%なのが少なくとも倍の10%にはなるとも言われています。いずれにしろ、消費税還付が出来れば、還付額も多額になりますから注目に値します。

 

<牧口 晴一>

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