今年はほとんど減税一色といった改正です。改正は 3月中に可決・成立し4月1日施行の見込みです。今年の税制改正の目玉はなんと言っても「パソコン税制」です。簡単に言えばパソコンの導入費用が全額損金(所得税では必要経費)に算入できるのです。以下Q&Aでみていきましょう。

 

Q1 パソコンは全てOKなのでしょうか?

A1 ほとんど全てと言ってもいいでしょう。1台の取得価額が100万円未満であれば対象となります。

 

Q2 中古のパソコンはいいですか?

A2 残念ながら新品だけです。とは言っても一台の取得価額10万円未満であれば、従来通り全額損金となります。

 

Q3 いつ買ってもいいのですか?

A3 これは注意を要します。本年4月1日〜来年(平成12年)3月31日の間に買うものに限定されます。注意すべきは事業年度とは無関係なことです。5月決算だからといって来年5月末までではなく、あくまで3月31日までです。個人企業であっても同様です。また法人・個人とも青色申告のみになりそうです。

 

Q4 とりあえず4月に2〜3台買って来年3月31日ギリギリに10台位いまとめて買おうと考えていますがいいですか?

A4 来年ギリギリに買おうとする分が要注意ですね。買っただけではだめで、その10台を事業のために使用しなければなりません。例えば来年の新入社員用に封も開けずに閉まっておいては事業のために使っていないことになります。

 

Q5 今年は相当利益が出そうなので思い切って将来のために30万円程度のノートパソコンを全社員100名に買い替えも含めて持たせようと考えていますがいいですか?

A5 事業の用に使用するなど他の条件を満たしていればOKです。自民党税調大綱では「投資関連税制」として投資を促進する政策ですから政策趣旨に沿った投資ですね。

 

Q6 パソコン周辺機器もいいのですか?

A6 単独で買ったときはダメです。本体と共に買うと適用になります。つまりプリンター20万円、パソコン30万円を一緒に買う場合ならOKです。もっとも単独で買って(次のQ&A参照)一つが10万円未満である場合は従来通り全額損金となります。

 

Q7 では7万円のプリンターだけを買ったら従来通り全部損金になるでしょうか?

A7 これは実務でも、とても問題になることで、今回の改正内容ではありませんが直接影響しますのでしっかり押さえておいてください。まず10万円未満だからといって必ず全額損金になるとは限りません。例えばちょうど壊れたので買い替えしたとか、今まで1台パソコンを使っていてプリンターを1台使っていたがカラープリンターが安くなったのでもう一台7万円のプリンターを買った。つまり1台のパソコンに2台のプリンターをつなげて使うといったように、附属装置を単独で購入することに必然性があるときは10万円基準で全額損金が可能です。

Q8 そうするとレーザーカラープリンターとパソコンワンセットを一緒に買ったら100万円以上になってしまう場合はどうすればいいでしょうか?

A8 これも重要です。ご質問の趣旨は先のQ&Aでは一緒に買った附属装置は一緒にして10万円という金額を判定するのですが、逆に一緒に買ったがために100万円未満という条件を越えてしまった場合どうなるのかというご質問ですね。さて100万円未満という判定は附属装置も含めてします。この附属装置とは次の物などが含まれます。

@ ディスプレイA キーボードBプリンターCデジタイザーD 音声入力装置E イメージスキャナーF 外付けHD・MOG 通信制御装置H モデム・ルーターI 電源装置

従ってこのままでは100万円以上になってしまうのでプリンターどころかパソコン本体も共々これまで通り償却資産として計上しなければなりません。そこで、ご質問のカラーレーザープリンターが後のQ&Aに出てくるようなデジタル複写機やメモリー送受信機能付き普通紙ファクシミリの機能を持っていれば、それ単体で100万円未満の判定ができる対象資産になり、それぞれ全額損金となります。正に天と地の差です!

 

Q9 パソコン以外のプリンターやFAXもいいですか?

A9 通称「パソコン税制」と言っていますが、より詳しくは「情報通信機器」です。現状で判明しいている具体的な内容は以下の8設備になる見込みです。

@ 電子計算機

A デジタル複写機

B メモリー送受信機能付き普通紙ファクシミリ

C デジタル構内交換設備

D デジタルボタン電話設備

E 電子ファイリング設備

F マイクロファイル設備

G ICカード利用設備

Q10 LANは対象になるのでしょうか?

A10 LANに対する公式見解は「構内に引き延ばされた電子計算機であることから、設備全体を一括して6年で償却する」とするものです。つまりLAN自体もコンピュータ(電子計算機)と規定しているわけです。したがって前のQ&Aの@に該当するのでLANも対象となります。

Q11 LANの中にパソコンがあるので100万円以上になっ

たら適用がなくなりませんか?

A11 これは微妙なところがあって、結論としては今後の動向いかんというとろこです。つまり前のQ&Aで当局の見解の中で「設備全体を一括して6年で償却」と言っていますからLANの中のパソコンだけを取り出して全額償却のパソコン税制の適用ができるのか?また、そのパソコンを除いた部分のLANが100万円未満になれば、それも適用できるのか?といったことです。仮にこれを認めると「設備全体を一括して」と矛盾することになるのでパソコン以外のLANの部品については機器ごとの個別償却が求められるかも知れないのです。現状では未確定です。

 

Q12 パソコンを以前から5台使っていて、今回これをLANでつないだ費用が50万円かかりました。これはいいでしょうか?

A12 LANにした経緯の事実認定の問題なりますが、Q8の附属設備の問題と同様に別個に買ったのが相当の理由があれば、今回のLAN導入費用50万円のみを設備全体として、パソコン税制の適用が可能と思われます。

 

Q13 「中小企業経営革新支援法」は例によって特殊な法人しか受けられない特例ではないですか?

A13 今度のは使えそうですよ。ご質問のように例年の改正では業種ぐるみで認定を受ければ適用されるとか、例え適用が有っても特別償却とか税額控除の特典ですから、基本的に黒字法人が対象だったといえます。

今度の改正は一般法人、単独であっても新しい事にチャレンジする企業で有れば、例えその年が赤字であっても前年に納めた税金の還付を受けられるなどの道も開かれそうです。この原稿を書いている頃(2月16日)に国会に法律を上程の予定ですから詳細は下記の交流会でお知らせできるでしょう。

 

<牧口 晴一>

 

 その他の改正項目や詳細については3月24日のビーフラット交流会でセミナーを開催します。

ご参加の方には今回、共同執筆しました「平成11年改正税法特集Q&A」解説冊子(70ページ程度)を差し上げます。(部数に制限がありますので、申し訳有りませんが申込み順とさせていただきます)

 

− 交流会は終了しました −


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