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不況はまだまだ当分続きそうだ。堺屋さんが「きざし」とかおっしゃっているが実感とはほど遠い。我社の今後のカジ取りにお悩みの経営者にお勧めの一冊がある。「会社存続の原理」高畑省一郎著(ダイヤモンド社)である。著者は中小企業金融公庫を経て現在政府系金融機関のシンクタンクである、経営戦略研究所所長である。たまたま本屋で見つけて読んでみたら、経営指南書にありがちな精神論中心の本でなく、不況下の経営に必要不可欠な企業の枠組みをどう再構成したらよいかについて基本に忠実にしっかり書いてある本だ。一部は右肩上がりの時代の経営者の常識とは異なる考え方を提唱しているところもあるので、皆様ご自身の考え方を再認識するための鏡としてご一読されたらよいのではないか。以下、一部紹介する。 ○どうすれば倒産はさけられるか 著者は倒産を「企業活動において資金の循環が断たれた状態」と定義している。倒産させない秘訣 |
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企業を倒産させないための五箇条 第一条 償却前経常利益(運送業のみは車両償却後経常利益)は、どのような状況 下にあってもマイナスにしない。この事前予防が第一である。 第二条 借入金については、常に借換えを可能にしておく。もしくは不可能になれ ば、借り手の論理で対応する。 第三条 営業外支払手形(融通手形・設備手形)は、絶対に切らない。また、いか なる状況下でも高利貸しは利用しない。 第四条 資産の回収管理・在庫の管理システムを確立しておく。 第五条 設備投資を行うにあたっては、その意志決定時において十分すぎるほどの 検証を行う。 |
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○借金地獄に陥らないために 上記のために「投資の回収基準を設け厳格な運用をする事が必要である」 償却期間の原則 |
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競争の激しい地域 3年以内 に立地する場合 流通業 既得権益等に守られてきた地方 5年以内 に立地する場合 償却資産についての 社内償却基準 原則5年以内 製造業 特例7年以内 |
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○ベンチャービジネス成功の要因 今回のベンチャービジネスブームは失敗する。成功したベンチャーキャピタルは2社のみ。ジャフコと投資育成会社。上記要因は2つ。「1つは世に受け入れられる製品・商品、サービスを有していることである。いま1つは主宰する経営者が自前で少なくとも一億円ほどの資金を準備できたこと」 ○株式公開の是非について 「株式を公開しても良いのは企業が会社の公器になるという信念を持ち、従って同族という概念にこだわらない場合であり、かつ証券市場を通して集められる資金が前向きの投資に投入されるケースであると言える。特に同族というこだわりがある場合には公開は志向すべきでない。」 ○後継者の選定について 「財産権的な発想で後継者を選定するという行為は個人商店を除いて今後採用してはならない手法である。経営者は事業に対し無限の責任を負うという宿命の下、その後継者には何よりも能力ある人物が選定されるべきである。しかし・・・一族に能力を持った人物が存在すれば社員に対する求心力という視点からもその人間を後継者にすることは望ましいことである。」 <佐藤 文弘> |
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