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 会社の中だけでなく、外出先でも活用できる「モバイルコンピューター」は、数年前から話題になっています。しかし、いざやってみると「持ち運びするには重すぎる」「立ち上がるのに時間がかかりすぎる」など不満な点も多く、なかなか話題ほどには普及していないというのが現状のようです。ところが最近になってiモードやカード型PHS端末など新しい技術が生まれ、それを活用したモバイルコンピューティングが可能になりました。今号ではこれらの新しい試みに積極的に取り組んでおられる2社の事例をご紹介します。

1. iモードで在庫照会 〜キャブ株式会社

 NTTドコモの「iモード」。よく知られているように、携帯電話でインターネットができるという今話題のヒット商品です。キャブ様ではこのiモードを利用して営業部門での情報化を進めています。
 まず役に立っているのがメールです。出張の多い営業マンに対して諸々の業務連絡事項をタイムリーに送ることができます。電話と違って営業マンは自分の都合の良い時間にチェックすればよいので商談の邪魔にもならず、どこにいても確実に伝達することができます。
 今年2月から始めているのがiモードによる在庫照会です。もともとノートパソコンに在庫情報をコピーし外出先で使えるようにしていたのですが、会社を出発した時点の在庫であることやマシンをたち上げるのに時間がかかり(約1分半)、商談の腰を折ってしまうなどの理由であまり使われませんでした。そこで営業マンがiモードで在庫を見るためのホームページを作り、1時間おきに自動的にデータ更新するようにしました。営業マンは外出先で在庫確認が必要になると、iモードで確認し商談を進めます。最大遅れても30分なのでほぼリアルの在庫数であるといえます。また、在庫を確認するのに要する時間はほんの数秒なので、顧客を待たせることなく迅速に商談を進めることができるようになりました。

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おなじみP502i


2. PHSカード端末+B5サイズノートパソコンで社内と同じネットワークに接続
   〜株式会社 新東海リクルート企画

 PHSカード端末「H゛(エッジ)」を利用して外にいても社内にいるのと同じようにパソコンを使えるようにしたのは、新東海リクルート企画様です。この会社では97年から営業担当ひとりに1台ノートパソコンを購入し、「LotusNotes」などでファイル共有やメールなどの情報化を進めてきました。しかし初期導入から3年以上経って、最新のソフトを利用するのにマシンのスペックが追いつかなくなり、今春ハードウェアをリニューアルすることになりました。それに伴い今まで懸案であったモバイル利用も一歩進めることになり機種を選定した結果、次の構成になりました。@ノートパソコンはB5サイズのIBM/ThinkPad240。持ち運びを考えると一番の障害は「重さ」です。画面やキーボードは多少小さくなるものの、少しでも軽くした方が携帯しやすくなるので、軽量であることを一番の条件にしました。重量1.35kgは市販パソコンの中でも最軽量クラスです。A通信手段はDDIポケットのPHSカード。ハイブリット携帯と呼ばれるこのカードは、1枚のカードの中にアンテナを始め全ての電話機の機能が集約されています。コンパクトだけでなく通信速度も64kbpsと、NTTのISDN回線と同様なスピードで、社内のルーターにアクセスし社内ネットワークにログインできるようになりました。
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話題のエッジのカード。
コレ電話機です!?
 4月までに全員の営業マン・営業ウーマンにこの装備が行き渡り、使用が始まったところですが評判は上々です。営業担当は1日中外出ということが多く、好きなときにどこからでもメールの送受信が出来るというのは大変便利です。報告や連絡はもちろん、他の営業マンへの事例問い合わせや提案内容の相談・・等々、会社へ戻らなくても自分の都合良い時間を使えるからです。また、商談中に急遽資料が必要になった場合でも、社内ネットワークに接続してサーバー内のデータを参照、その場でプレゼンテーションすることも出来るようになりました。お客様から要望があれば、その資料をPHS経由でFAX送信して、お客様のFAXへプリントアウトすることもでき、営業の大きな力となることが期待されています。
 今回取り上げた会社は、2社とも省力化・合理化のためでなく営業力アップのために情報化を進めていらっしゃいます。情報武装した営業マンが今後どのような活躍をしてくれるか今後が楽しみです。

<熊澤 鉄郎>

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オフィスではLANにつなげて使います。
左側にエッジのカードがささっています。
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B5サイズのIBM/ThinkPad
薄くて小さいお手軽サイズ。持ち運びに便利です。



      ※新東海リクルート企画様 システム概要図

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